【表題】「リービッヒの最小律」の例として「ドベネックの桶」があるが、その由来を知りたい
【質問・相談などの内容】
「リービッヒの最小律」の例として「ドベネックの桶」があるが、その由来を知りたい。
英語版wikipediaには、”Dr. Dobenecks”とあるが、どのような人物なのか。
“Alban von Dobeneck”との関係は。
【回答】
お問い合わせいただいた件につきまして、当館所蔵資料やインターネットで調査をしました。結論から申しますと、「Dr. Dobenecks について」「Dr. Dobenecks とAlban von Dobeneckとの関係について」のどちらに関しても、お探しの情報は見当たりませんでした。ご参考までに、ドベネックの樽に関して記載のある資料やその他調査済み資料をご紹介します。
<ドベネックの樽について>
(図書)
凡例:『タイトル』(出版者 出版年月)【当館請求記号】貸出可否
『世界大百科事典 11 サ-サン』(平凡社 2005)【031/44N/11】貸出不可
p.57にある「さいしょうようぶんりつ 最小養分律 law of the minimum nutrient」の説明で、「ドベネックの樽」について触れられていますが、由来や人物に関しての説明はありません。
『土壌の事典』(久馬一剛/[ほか]編集 朝倉書店 1993.12)【613.5/21N/(2)】貸出不可
p.132にある「最少養分律 law of the minimum」の説明に、「ドネベックの要素樽」という記載があります。Donnebeckの要素樽として図も載っていますが、由来や人物に関しての説明はありません。
『植物栄養・肥料の事典』(植物栄養・肥料の事典編集委員会/編集 朝倉書店 2002.5)【613.7/7N】 貸出不可
p.427-428にある「9.1.2最小養分律」の説明に、「ドベネックの要素樽」の図が併記されています。本文では、「ドベネックの樽」やその由来、人物についての記述はありません。
『法則の辞典』(山崎昶/編著 朝倉書店 2006.9)【403.3/24N】貸出不可
p.223に「ドベネクの桶 Dobeneck’s pail」という項目があります。由来や人物に関する記述はありませんが、「桶」としている理由については次のとおり記されています。
「最近の海外の文献類にはほとんど見かけない用語でもある(よく「ドベネクの樽」と記してあるテキスト類(特に栄養学方面)があるが、「樽」は本来蓋(鏡板)のあるものだけを意味するから、ここの訳語に使うのは誤りである)。」
(雑誌)
凡例:執筆者「記事タイトル」
『掲載誌タイトル』巻(号)(発行者 発行年月)【当館請求記号】貸出可否
阿部亮「畜産における最新技術(24)」
『畜産の研究』49(12)(養賢堂 1995.12)【P64/4N】貸出不可
p.78に「リービッヒの樽」と記載されています。「技術の体系化のためには、それを構成する個々の技術要素が平準化していなくてはならない。リービッヒの樽を思い浮かべてほしい。」という文で使用されていることから、「ドベネックの樽」と同様の法則を指していると思われます。
<調査済み資料>
そのほか、次の資料を調査しましたが、「ドベネックの樽」の由来や人物について、またAlban von Dobeneckという人物についての情報は見当たりませんでした。
『化学を築いた人々』(原光雄/著 中央公論社 1973)【630/505】貸出可
『化学者リービッヒ 岩波新書 青版』(田中実/著 岩波書店 1977)【359/1689】個人貸出不可
『科学史技術史事典』(伊東俊太郎[ほか]/編 弘文堂 1983.3)【402/32】個人貸出不可
『百万人の化学史:「原子」神話から実体へ』(筏英之/著 アグネ承風社 1989.10)【430.2/13N】貸出可
『人物化学史:パラケルススからポーリングまで(科学史ライブラリー)』(島尾永康/著 朝倉書店 2002.11【430.2/25N】貸出可
『化学の歴史 1(科学史ライブラリー)』(W.H.ブロック/著 朝倉書店 2003.7)【430.2/26N/1】貸出可
『科学大辞典』(国際科学振興財団/編 丸善 2005.2)【403.3/22N】貸出不可
『入門化学史(科学史ライブラリー)』(T.H.ルヴィア/著 朝倉書店 2007.9)【430.2/35N】貸出可
『現代化学史:原子・分子の科学の発展』(廣田襄/著 京都大学学術出版会 2013.10)【430.2/43N】貸出可
『新編肥料学全書』(吉村清尚/著 弘道館 1917)【826/89】個人貸出不可
『農業経済学の展開過程:小農経済論の終焉と企業的農業論の形成』(柏久/著 日本経済評論社 1994.7)【611/27N】貸出可
『土壌学の基礎:生成・機能・肥沃度・環境』(松中照夫/著 農山漁村文化協会 2003.12)【613.5/69N】貸出可
『リービヒ『化学の農業および生理学への応用』』(J.v.リービヒ/著 北海道大学出版会 2007.2)【613.3/6N】貸出可
『人は土をどうとらえてきたか:土壌学の歴史とペドロジスト群像』(ジャン・ブレーヌ/著 農山漁村文化協会 2011.3)【613.5/103N】貸出可
『科学技術人名事典』(アイザック・アシモフ/[著] 共立出版 1978)【403.5/1】個人貸出不可
『科学・技術人名事典』(都築洋次郎/編著 北樹出版 1986.3)【403.5/2】貸出不可
『世界科学者事典 2:化学者』(デービッド・アボット/編 原書房 1986.5)【402.8/11】貸出不可
『科学者人名事典』(John Daintith/[ほか原編] 丸善 1997.3)【403.3/9N】貸出不可
『世界人物事典(毎日ライブラリー)』(毎日新聞社/編 毎日新聞社 1953)【350/247/(2)】個人貸出不可
『外国人名事典』(平凡社 1956)【358/317】個人貸出不可
『世界伝記大事典:世界編』(ほるぷ出版 1981.6)【280.3/9】貸出不可
『岩波西洋人名辞典』(岩波書店編集部/編 岩波書店 1981.12)【280.3/22】貸出不可
『大事典desk』(講談社 1983.5)【031/36】個人貸出不可
『コンサイス外国人名事典』(三省堂編修所/編 三省堂 1985.12)【280.3/32】貸出不可
『世界人名辞典:西洋編』(河部利夫/編 東京堂出版 1993.9)【280.3/2N/(2)】貸出不可
『岩波=ケンブリッジ世界人名辞典』(デイヴィド・クリスタル/編集 岩波書店 1997.11)【280.3/22N/(2)】貸出不可
『岩波世界人名大辞典 第2分冊 ト〜ン 付録・索引』(岩波書店辞典編集部/編 岩波書店 2013.12)【280.3/51N/2】貸出不可
個人貸出不可や貸出不可とある資料につきましては、複写をお申込みいただくことができます。
お申込みの際は、当館ホームページをご覧ください。
「利用案内 資料を複写するには」(大阪府立中央図書館)(2016/08/02現在)
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「Web複写サービス利用案内」(大阪府立中央図書館)(2016/08/02現在)
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あまりお役に立てず申し訳ありませんが、以上で回答とさせていただきます。
担当:大阪府立中央図書館社会・自然系資料室
【参考資料】世界大百科事典 11 改訂版 平凡社 2005
【掲載箇所】p.57
【参考資料】土壌の事典 久馬/一剛∥[ほか]編集 朝倉書店 1993.12
【掲載箇所】p.132
【参考資料】植物栄養・肥料の事典 植物栄養・肥料の事典編集委員会∥編集 朝倉書店 2002.5
【掲載箇所】p.427-428
【参考資料】法則の辞典 山崎/昶∥編著 朝倉書店 2006.9
【掲載箇所】p.223
【サイト名】「利用案内 資料を複写するには」(大阪府立中央図書館)(2016/08/02現在)
【URL】http://www.library.pref.osaka.jp/site/central/annai11.html#copy
【サイト名】「Web複写サービス利用案内」(大阪府立中央図書館)(2016/08/02現在)
【URL】
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ご利用ありがとうございました。
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