悠京事業発足に際して
遍くある知識の海にあって個人は、思想の体現たる行動を深く問われる時代になりました。その答えが、続く真理の大洋にあるとしても、私達はその全容を知ることは出来ません。答えの一つ一つは、もう何百年何千年と考えられてきました。多くは偉大な先人の思想により残されています。有形であれば、代表的な書籍に始まり、什器・備品から建築・機械・道具、また映像・音楽といった文化として育まれてきました。しかしながら、こうした知識は、個人が経験から会得するまでは、単なる付票・データにしか過ぎません。それらデータを処理し、具体的に社会に表現することが大切です。
鑑みるに、人間は常に、本当の自分とは何か、社会とは何かを考える岐路にあります。広くは有識者により啓蒙されています。ただしその中にあっても、自分自身で考え行動しなければなりません。
日本には伝統があります。利他研究所では、悠久から続く文化を社会に頒布する悠京事業として、先人の智慧を形にした書籍を発刊し、答えの一つとして提案することにしました。是非とも多くの推考を重ね、一滴一滴が慈雨として社会に享受し、真理の大洋に続くことを願うものであります。
二〇一〇年九月七日
利他研究所 門松一里
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