「実名公表と報道の自由」という話

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「実名公表と報道の自由」という話

被害にあわれた方のご冥福をお祈りします。

さて、亡くなられた被害者の実名公表は、公表すべきかすべきでないかの二分化されました。

実名公表と報道の自由は別ですから、公表すべきです。

警察による実名公表は、被害にあわれた家族の心情を考えて控えるべきという考え方があります。また、報道するにしても警察が自粛をうながすべきだという意見もあります。

一方で、報道の自由を盾に被害者家族に無理矢理取材をするなどもっての外と考えるのは妥当なことです。

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まず、実名公表と報道の自由は別だという話です。「警察が実名を公表する→報道機関が取材する」という一連の流れはありますが、この二つは全く別です。

実名公表ですが、亡くなられた被害者(死亡被害者)の実名は公表すべきです。死者に関する情報については、一般的には、個人情報に当たりませんので。ただし、遺族に関する情報は保護しなければなりません。
cf.
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/question03.html

こうした情報はすべて公開されないといけません。行政の判断で一部を隠すことができるのであれば、一個人はすみやかに消されてしまいます。#blackjoke ではなく本当に。

幸い、どうしてそうなるか判断できない人も多いでしょう。行政の判断で情報を自由にできた世界の歴史を知らないからです。

そして、報道の自由があります。国の行政機関である警察が報道の自粛をうながすことは絶対にしてはいけません。かつて大変なことがありました。

確かに、被害にあわれた御家族の心中を察するにあまりあります。しかし、行政が情報を自由に操作したり、報道を自粛させたりすることは絶対にしてはいけないのです。また大変なことになってしまいます。

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実名公表の何がいけないのでしょうか。

報道機関の行き過ぎた取材をとめるためですよね。
(他に理由があるのかもしれませんが……。)

こうして考えますと、警察に実名公表を控えるように署名することは本末転倒な訳です。矛先が違います。同じするなら、報道機関に実名報道を控えるように署名するべきです。
(それもおかしな話ですが……。)

では、理不尽な取材をとめるにはどうしたらよいのでしょうか。

一つは、報道機関に対して、被害にあわれた御家族に関して法律や条例を制定することです。
一つは、報道機関と契約をかわし、取材費を被害にあわれた御家族にわたすことです。

国の法律や地方公共団体の条例を制定するのは簡単ではありませんし、前述から不可能です。どれだけすばらしい法律や条例を制定しても、国民が自分から鎖をつけるようなものですから。

公表されていない時点で、被害にあわれた御家族の代理人(弁護士)が報道機関と契約をかわし、取材費を遺族にわたす方法はどうでしょうか。

被害にあわれた方の卒業写真や卒業文集の取り扱いまで書かれた分厚い契約書をかわせば、行き過ぎた取材や報道を抑制できる可能性は高いです。
(それでも週刊誌に売る人はいるでしょうけれど……。)

他にも方法はあるでしょうから、この機会に報道の自由から考えてみましょう。より優れた方法がきっとあるはずです。ただし、すぐに結論はでませんし、結論を急いでも不幸になるだけです。

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正しいことをしていても、誤ったことをしているかもしれません。それは私自身も同様です。

時代によって正しさは変化します。ですから、常に私たちは話し合わなければならないのです。

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