「最近の若者は……」という出典を知りたい

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【ご質問】
「最近の若者は……」という出典を知りたい。

【事前調査事項】
ネットにて検索。プラトン説
が有力である。

人力検索はてな >学習・教育 >「最近の若者はなっていない」
http://q.hatena.ne.jp/1129514022

最も古い「最近の若者は…」のソース
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/04/post_7265.html

たしかに、プラトンは「最近の若者は…」と言っていた、が…
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/03/post_f3fd.html

2006年10月10日 最近の若者は本当にいたか、とカントは言った、皆が本を書いている
http://d.hatena.ne.jp/MrJohnny/20061010

アーチボルド・ヘンリー・セイスの著作に該当はあるのか。

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【回答】
事前調査事項でお知らせいただいたネット上の議論を参考に、今回、当館で調べたことをお伝えします。

1 プラトン説について
『プラトン全集』(岩波書店 1978-1981)の別巻「総索引」の「若さ」「若者」など「若」のキーワードに限定して「最近の若者は・・・」という記述を探しました。
『プラトン全集13巻』582pの「法律第十巻」の冒頭には「・・。しかしそのほかにもまだいろいろな悪事はあるのであって、そのなかでも最大のものは、若者たちの勝手きままで暴慢な振舞です。・・」というのがあります。この他にも総索引の「若」というキーワードでは若者や若さについて様々に言及している記述が見受けられます。
その一例を下記に記します。
*「・・そういった神々は存在していないかのように思って、不敬な振舞いをする風潮が若い人たちの間に生じてきているのです。」(全集13 法律第十巻)
*「ところで、われわれは若者たちが恥知らずな振舞いをするときに、これをたしなめることによって、この遺産を残そうと考える。しかしそれは・・」(全集13 法律第五巻)
*「しかし若者たちの魂は、真面目なことに耐えられないものですから、」
(全集13 法律第二巻)

2 柳田国男が「A・H・Sayce教授から聞いた」と述べていることについてセイス教授が来日し早稲田大学で講演したことは当時の朝日新聞記事にあり、『早稲田大学百年史2巻』では科外講義として明治45年3月12日「エジプトに於ける実見録」の演題が確認できます(475p)。また、明治43年5月創刊、大正5年3月まで刊行の雑誌『早稲田講演』には科外講義を収録しているという記載があります(476p)
雑誌『早稲田講演』は当館では所蔵しておりませんが、NACSIS等で検索すると大学図書館、京都府立図書館がヒットします。京都府立図書館所蔵分は出版者が早稲田大学政治経済学会となっていますので、該当の資料かどうかは疑問があるようです。大学図書館等の場合、該当の明治45年(1912)以降を所蔵しているのは早稲田大学の他、神戸大学、昭和女子大学、小樽商科大学、日本近代文学館です。
なお明治45年のセイス教授来日当時の朝日新聞記事には該当事項の記載はありませんでした。

3 A.H.Sayce の著作について
当館には『the principles of comparative philology』など6冊の洋書を所蔵しております。
このうち『the civilization Egypt and Chaldea』にはエジプトに関しての章が多くあり、young men,Yong generationの語が見られる頁(575p)もあり、参考になると思われます。

【参考資料】
・『プラトン全集 別巻 総索引』(岩波書店 1987)(131.3/2)
http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10000000386557
・『木綿以前の事』(柳田国男 創元社 1941)(382.1/354N)
http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10000001628926
・『早稲田大学百年史 2』(早稲田大学 1981)(198.1/531)
http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10000000229388

【参考ホームページ】
「インターネット」
・聞蔵Ⅱビジュアル
http://database.asahi.com/library/login/loginexec.php
※リンク切れ
http://database.asahi.com/

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担当室:大阪府立中央図書館 人文系資料室
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ご利用ありがとうございました。

大阪府立中央図書館 電話06-6745-0170(代表)
大阪府立中之島図書館 電話06-6203-0474(代表)

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