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どうしてアマゾンは“くだらない”レビューを消さないのか(ゲーム理論)

どうしてアマゾンは“くだらない”レビューを消さないのか(ゲーム理論)

ゲーム理論からそうなされているのですが、考えてもまあ解りません。学ぶまで、正直、私も解りませんでした。

 

もっとも、本当の意味で、ゲーム理論を理解しているのは世界で何人もいないそうです。#joke ではないところが学術ですね……。

 

「意図をはっきり理解している」人があまりにも少ないので、書いておきましょう。

解答から言うと、「マイナスのレビューを削除しないことが、強力なシグナリング(戦略的行動の一つ)になっているから」です。

答えを聞いても理解できないのがゲーム理論の不思議でして、私も同じ解答を二回聞いてようやく理解できました……。

 

ゲーム理論では「『レビューに手を加えていない』というシグナリングがある」のみです。これを理解しないと複雑に考えてしまうのですけれど、理論はより単純です。

「戦略的に相手にシグナル(合図)を送り、それによって自分の立場をより好ましいものにしようとする戦略的行動が効果を持つ」
梶井厚志『戦略的思考の技術』(中央公論新社、2002年)P137

「シグナリングが効果を発揮するためには、シグナルの受け手がシグナルにこめられた意図をはっきり理解していることが重要であることは言うまでもない」
梶井厚志『戦略的思考の技術』(中央公論新社、2002年)P165

この場合のシグナルは「マイナスのレビューを削除しない」なのですが、「意図をはっきり理解している」人が少ないです。

著者にとっては「マイナスのレビューを削除しない」ことは非常に迷惑なシグナルですが、それはイコール「レビューに手を加えていない」というシグナルであり、こちらがシグナリングの意図です。つまり、プラスの「レビューに手を加えていない」のです。

もし「マイナスのレビューを削除する」なら、「レビューに手を加える」ことになってしまい、「プラスのレビューに手を加えている」と判断されてしまいます。これは著者にとって「マイナスのレビューを削除しない」ことより不利益になります。(了)

【参考文献】
*梶井厚志『戦略的思考の技術』(中央公論新社、2002年)