『セイレーンⅠ(1)』シナリオ
“Seirenes I”
旧家の一人息子平橋弘行が臓器密売のため略取された。だが当主の姉彰子は、警察の動かない一般家出人の捜索願を提出する。欧州の名画が平橋家の美術博物館に集められることを名目に、各国の有力者会議が行われているからだった。入り婿の父之尚は旧友の、引退間際で閑職にある老警部塩谷長次郎に秘密裏に捜査を依頼した。塩谷は、謹慎がとけた若手巡査部長山吹太悟と二人三脚で調査するが、それは日本の闇をあばく行為そのものだった。
SeirenesI-1―「臓器略取――それは誰にでも起こりうる事――」
【次回予告】
限界を知る者だけが、悪魔を使役できる。
次回「吾唯足知(われただたるをしる)――それは永遠に満たされぬ事――」
生き残った者だけが地獄の珈琲(コーヒー)を啜(すす)れる。
SeirenesI-2―「吾唯足知(われただたるをしる)――それは永遠に満たされぬ事――」
【次回予告】
歴史を語る者は、その光の底を照らすのだ。
次回「昭和闇霧(しょうわのやみのきり)――それは永遠に知らぬ事――」
真実がどうだったかなんて、生きている事実の前には何の問題もない。
SeirenesI-3―「昭和闇霧(しょうわのやみのきり)――それは永遠に知らぬ事――」
【次回予告】
智慧(ちえ)ではなく知識が人を助けることもある。
次回「古今伝授(ここんでんじゅ)――それは知らぬが在る事――」
欲しいのは中にある水であって、コップなど関係がない。
SeirenesI-4―「古今伝授(ここんでんじゅ)――それは知らぬが在る事――」
【次回予告】
どれだけ行こうとも、すべては大きな手の中の出来事でしかない。
次回「頂門一針(ちょうもんのいっしん)――それは要(かなめ)をおさえ戒める事――」
蓮(はす)は、泥濘(でいねい)にあって花を咲かす。
SeirenesI-5―「頂門一針(ちょうもんのいっしん)――それは要(かなめ)をおさえ戒める事――」
【次回予告】
目の前の壁を大きく見れば、階段一段でしかない。
次回「棲守道徳(せいしゅどうとく)――それは道を守ること事――」
踏み外せば、横の壁に激突する。それが底だ。
SeirenesI-6―「棲守道徳(せいしゅどうとく)――それは道を守ること事――」
【次回予告】
良縁は結ばれ、悪縁は切られる。
次回「六道静寂(ろくどうしじま)――それは輪廻(りんね)を静かに待つ事――」
水面の白鳥の足は動いてるのだ。
SeirenesI-7―「六道静寂(ろくどうしじま)――それは輪廻(りんね)を静かに待つ事――」
【次回予告】
積善の家には必ず余慶(よけい)あり。
次回「耳目聳動(じもくしょうどう)――それは事変が始まる事――」
知らぬは死人(しびと)のみ。
SeirenesI-8―「耳目聳動(じもくしょうどう)――それは事変が始まる事――」
【次回予告】
砂浜に手を入れ、親指の爪の先に残るわずかな砂が縁(えにし)。
次回「愛別離苦(あいべつりく)――それは定めという事――」
情(なさけ)に生きても一生。理(ことわり)に生きても一生。
SeirenesI-9―「愛別離苦(あいべつりく)――それは定めという事――」
【次回予告】
見えている事実が、不幸なのではない。見えない恐怖こそ敵だ。
次回「暗雲雷音(あんうんらいおん)――それは不幸が近づくという事――」
雨に濡れてでも歩め。
SeirenesI-10―「暗雲雷音(あんうんらいおん)――それは不幸が近づくという事―― 」
【次回予告】
流れに添(そ)う。天数に合うこと。
次回「上善如水(じょうぜんみずのごとし)――それは万物の理(ことわり)という事――」
どれだけ多くの選択肢があろうとも選べるのはたった一つ。
SeirenesI-11―「上善如水(じょうぜんみずのごとし)――それは万物の理(ことわり)という事――」
【次回予告】
閉めるには数を入れなければならない地獄の釜。
次回「深淵序曲(しんえんじょきょく)――それは昼の闇という事――」
あるのは必然という名前の商売。
SeirenesI-12―「深淵序曲(しんえんじょきょく)――それは昼の闇という事――」
【次回予告】
死ぬのは一度きり。生きるこの瞬間が永遠。
次回「死地生還(しちせいかん)――それは明日へつなぐという事――」
思い出は色褪(いろあ)せない。
SeirenesI-13―「死地生還(しちせいかん)――それは明日へつなぐという事――」
【次回予告】
善行は時として人を危機に追いやる。すべてを捨ててなおと問え。
次回「雷雨荒野(らいうこうや)――それは罪と罰とが審判されるという事――」
与えられるのは罪貨か罰時か。
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※文庫本【322】頁(41文字17行)
※ペラ【756】枚(200字詰め)/平均【58.15】枚
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