鶏肋――別れに涙せず
別れを考えて付き合いましょう。いつか誰もいなくなってしまうのですから。
「出会いと別れは同じ数である」
出会った限りは、別れなければならない。――これが必定です。例外はありません。
初恋は破れるもの。確かに多くはそうでしょう。けれど、初恋を忘れる人は少ないです。ましてや、その出会いを消すことなど、誰にもできません。同じように、その別れを消すことなど、誰にもできないのです。
運命の相手でも同じことです。
結婚をすれば、必ず別れます。結婚をしなくても、必ず別れます。必ず同じ数の出会いと別れがあります。
そこに幸せがあるのか、不幸せがあるのか、それはその人たちだけの事です。他(た)から思い描くのは不粋です。
生まれ、たまたま同じ家族であった。それだけのことで、人は苦楽を共にします。
子は親を選べないと言いますが、親も子を選べません。子を罪人にする親はいません。よかれと思ったことが、そうならないことは多いです。離れて暮らす家族が幸せなのかもしれません。
捕(と)らわれると囚(とら)われます。心はいつもそう。
出会えばいつかは別れるもので、それはあらゆるものの宿命であり、避けえないものです。
いずれ別れるものと心にとめましょう。そうしたなら、少しはやさしくなれるでしょう。