解説『源氏物語』光源氏はテロリスト?!
今回は、紫式部(むらさきしきぶ、生没年不詳)の『源氏物語(げんじものがたり)』を解説します。#blackjoke
光源氏は、実はテロリストなのです。
※読切
※文庫本【3】頁(41文字17行)
※原稿用紙【4】枚(400字詰め)
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予言により帝になれなくなった光源氏は義母と密通しその子を帝にすることを計画する。最愛の女性を奪うことで兄を死に至らしめようやく我が子を帝にすることができたが、因果応報か正妻が不義密通の子を産む。誘拐した幼女が亡くなると事実を封印すべく雲隠するのだった。
教唆は、次の帝とされていた光源氏の叔父(父の弟)の妻だった美しき六条御息所。未亡人の魅力で美少年だった光源氏の童貞を奪い洗脳する。兄の妻になるはずだった葵の上を強引に光源氏に娶らせたあと、用済みとしてこれを呪殺。死霊となってまで、己の野望を完遂させた。
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以上、ブラックジョークですから、本気にしないようにしてくださいね。
六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)ほど光源氏(ひかるげんじ)を愛した人はいませんし、光源氏もまた六条御息所(義叔母で未亡人!)を愛していたのです。
37帖「鈴虫(すずむし)」
物の怪(もののけ)になってしまった母・六条御息所をなげく秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)が、従兄の光源氏に追善供養をすすめられ、六条御息所は物語から退場します。
そういえば、二千円紙幣の裏に、源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき)の「鈴虫」の一場面が描かれています。お札(さつ)に物の怪は不可ですから、高貴な光源氏と冷泉院が描かれています。
ですがこの二人、異母兄弟(兄は臣下、弟は皇族)という設定ですがその実、父とその義母との不義密通の子です……。
その前場面で、不義密通の子を産んですぐに出家した、光源氏の正妻・女三宮(おんなさんのみや)の開眼法要(かいげんほうよう)がいとなまれます。
ある意味、この37帖「鈴虫(すずむし)」だけで、『源氏物語』すべての話ができるというお得な帖です。